今、特に注目が高い印鑑の素材がチタンです。
チタンは加工がとても難しく、近年工業品として扱われ始め、印鑑としてはとても新しい素材です。
近年、象牙や牙の取引が禁止されその代替えとなるかのように、多くのショップがチタンを販売しています。
ここでは印鑑の素材として、チタンのメリットとデメリットについて紹介します。
デメリット(欠点)を知ることで、正しいチタンの価値がわかります。
このページに書いていること
チタン印鑑の良さ
チタンは金属でありながら「軽い」素材です。
その軽さで、航空機の部品に使われたり、化学的な安定素材なので、アクセサリーにも使われます。
そんなチタン印鑑には以下のような良さがあります。
- 見た目がメタリックできれい
- 火事でももえない
- メンテナンスができる
- 欠けにくい
見た目がメタリックできれい
従来の印鑑素材は、硬い木材や動物の牙・角が主流でした。
どちらかというと自然の色味があり、きれいなグラデーションが出るものもあります。
色の深み、自然の温かみが感じられる素材でした。
チタンは少ない金属の素材の印鑑です。
そのメタリック感は、従来の素材にない工業的美しさ、機能美があります。
火事でも燃えない
純度100%のチタンの溶解温度は、1668℃です。
通常の火事は1000℃前後と想定されていて、万が一家庭で火事が起きても印鑑が溶けることはないと考えられます。
焼失しにくい素材です。
メンテナンスができる
木材や角などは湿度に弱く、朱肉が残って汚れますし、万が一水洗いした後の湿気が破損や欠損を引き起こす可能性があります。
もちろん乱暴に扱うことはないと思いますが、保存には気をつけなければいけません。
その点チタンは、湿度は関係ないので、朱肉がのこっても水で洗い落とせます。
歯ブラシのような柔らかい毛でこすっても、チタンが欠損することはありません。
とてもメンテナンスが簡単な素材です。
欠けにくい
チタン印鑑の一番のメリットはその丈夫さにあります。
印鑑の素材で、樹木や角は固いといっても限界があり、かけることもあれば使い続けることで変形もあります。
でも、チタンは印鑑素材の中で、最も堅固です。
摩耗することもないので、耐久性が高く、万が一落下などで落としても傷がつきにくいです。
その美しさを永く保つことができる素材です。
チタン印鑑のデメリット
そんなチタン印鑑にもデメリットがあります。
- 重さがある?
- 値段は高い?
- 傷はつく?
重さがある?
チタンは軽い金属といっても、金属なので、角や木材よりも当然重いです。
比重でいうと、だいたい木材の4倍です。
実際のチタン印鑑の重さは実印サイズでまとめました
13.5mm×60mm 約 40g
15.0mm×60mm 約 50g
16.5mm×60mm 約 60g
18.0mm×60mm 約 70g
大まかな目安です、ショップや文字、アタリなどで前後します。
12.0mmでも24gありました
柘植 18.0mm×60mm 約 15g
水牛 18.0mm×60mm 約 20g
明らかに重さが違います。
でも、ほかのものと比べるとあまり気になりません。
よく見る「MONO消しゴム」が20gですから2-3つ分ほど。
その重さが「気になる」か?というと、実はそうではありません。
もともと、印鑑は頻繁に捺すものではありませんよね。
毎日何回も使えば「重さ」はデメリットですけど認印ですら使って月に数回でデメリットというレベルではないです。
軽い木材であっても、重いチタンであっても、慣れていないので一度試し捺しするので「重さ」が理由で捺しにくいということはないです。
値段は高い?
チタン印鑑の相場を確認してみました。
インターネットで表示されている価格です。
ショップ名 | 13.5mm | 15.0mm | 16.5mm | 18.0mm |
---|---|---|---|---|
はんこプレミアム | 7,800 | 8,800 | 9,800 | 10,800 |
はんこdeハンコ | 11,800 | 13,800 | 15,800 | 17,800 |
いいはんこやどっとこむ | 6,800 | 7,800 | 9,200 | 9,800 |
印鑑の匠ドットコム | 7,980 | 8,980 | 10,980 | 12,980 |
ハンコヤストアドットコム | 6,700 | 7,700 | 8,900 | 9,900 |
平均価格 | 7,613 | 8,899 | 10,414 | 11,785 |
サイズやセットのよりお得に購入ができるようですが、おおむね1本1万円というのが一般的な価格です。
木材や角に比べると倍くらいかかるので高いという印象はあります。
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チタンが高い理由
チタンが高い理由は、その加工の難しさにあります。
チタンは希少な「レアメタル」という扱いですが、実はチタンの原石自体は珍しいものではありません。
しかし加工がとても難しいので、高い工業技術が求められます。
加工コストが高いので、チタンは高額で取引され、レアメタルとされています。
印鑑の素材で比べると高いかもしれませんが、工業的な価値もある素材です。
傷はつく?
チタン印鑑は丈夫で硬い素材で、印鑑としての利用範囲であればキズがつくことは考えられません。
もちろん、あくまでも「傷がつきにくい」素材であり、「傷がつかない」わけではありません。
同じ金属などで、擦ると傷がつくので注意しましょう。
印鑑という範囲で考えれば、まず丈夫で、木材や角に比べはるかに強度が高いことは間違いありません。
手彫りが難しい
チタン印鑑の欠点は、手彫りではないので、複製が可能な機械彫りです。
悪く考えると、何本も同じデータを使いまわすことができるので、同じ印鑑が世に出回る可能性もないわけではありません。
その理由からチタン印鑑そのものを扱わないお店もあります。
ただ、同じフルネームで、同じサイズで、同じ印鑑を作ることも稀なことかと思います。
セキュリティについてはなんとも難しいですが、個人的には機械彫りでも気にしません。
チタン印鑑の気になるところ
その他チタンには気になるところもあります。
さびない?
身近な金属というと、鉄やステンレスです。
どちらも、湿気を帯びたり、他の金属の近くに放置すると、錆がうつります。
チタンは化学的にとても安定しているので、塩水だろうが、他の金属だろうが日常の材質に触れて変化することは考えにくいです。
とても安定している素材です。
アレルギーはない
印鑑で金属アレルギーを気にする人は皆無でしょうけど、アレルギーが起きにくい金属です。
アクセサリーや時計にも使われる理由です。
チタンは化学的に安定 = イオン化しにくい素材です。
体に取り込まれ、炎症するということが無いので、安心して使えます。
最後に:チタン印鑑は高い!
チタンという金属、見栄えは、人それぞれ好みがあるので、客観的なデメリットにはなりません。
チタン印鑑の最大のデメリットはほかの素材に比べると「値段が高い」ということだけです。
でも、1本1万円はそれほど高額というわけでもありません。
チタンは印鑑の機能として、最も理想的な素材であることは間違いありません。
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