印鑑の書体は自分自身の顔と同様、第一印象が重要なウエイトを占めるだけでなく、重要な場面で用いる実印だからこそ、偽造などの想定されるリスクの回避も見過ごせません。
ここでは多角的な視点から書体を選択する必要性と、おすすめの書体をご紹介します。
男女による書体の違い
実印は一般的に男性用と女性用に区別される傾向があり、それぞれに共通した特徴があります。
男性用は女性用に比べて一回り大きく、捺印する面の直径は15-16.5mmなのに対し、女性用は13.5-15mmが一般的と言われています。
また書体に関しても、男性用はよりどっしりとした、存在感に満ちたイメージのものが相対的に好まれています。
用いられる素材としては、最高級の象牙、コスパに優れて人気の高い黒水牛、デザイン性重視のチタンなどが代表格です。
男性用で人気の書体は「古印体」や「印相体」、女性用では「細篆書体」があげられます。
「古印体」・「印相体」はいずれも力強く、対して「篆書体」をより細くした「細篆書体」は印鑑の枠よりも細く設定されており、柔らかい印象です。
その他、古印体の原型となった「隷書体」、書道の際の基本の書体である「楷書体」、筆の運びが美しい「行書体」なども、比率はそれほど高くありませんが、実印として用いられている書体です。
実印に適した書体
実印は、住宅や自動車の購入など高額な売買契約に際して、あるいは起業など人生の大きな節目に用いる、自分自身の分身となる重要な印鑑です。
うかつに内容を確認しないまま捺印してしまうと、大変深刻なトラブルに巻き込まれる可能性があるため、保管には細心の注意が求められる極めて重要なアイテムでです。
だからこそ実印に用いる書体は、偽造されにくい書体であることが第一条件であり、一目見ただけでは判別が難しい、より複雑な字体を選択することで、万一のリスクに備えることが大切です。
この観点から見た実印に最も適した書体として「吉相体」と「印相体」があげられます。
いずれも力強いイメージで、八方広がりの形状で縁起が良いとされています。
さらには文字のひとつひとつが枠にもつながっている形で、偽造されにくいのが大きな特長です。
今日、実印に用いるには最も安全性が高いとされ、多くの個人や法人印として採用されています。
実印の書体選びのポイントは第一印象と万一のリスク対策がポイント
人生の重要な場面で使用する実印は、自分自身のもうひとつの「顔」の役割を担うアイテムであり、その書体選びに際しては、第一印象と万一のリスクに対する備えが重要です。
女性には人気の高い「細篆書体」が、男性には力強い印象を持ち、偽造されにくい複雑な形状の「吉相体」と「印相体」がおすすめです。